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トルコで日本語教師 中山恵

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トルコで日本語教師の先生へお仕事インタビュー

日本語教師になるまで

日本語教師の中山恵さん

――日本語の教師歴はどのくらいですか?

トータルで13年ぐらいです。途中、2回ぐらい別の仕事をしていました。教師を辞めようというよりは、ちょっと別のことをしてみたいなという感じでした。

――日本語教師に興味を持ったのはいつ頃ですか?

間が2年なので19年ぐらい前だと思うんですけど、25歳の時にワーキングホリデーに行きまして、その時にあちらで英語を勉強しながら日本語を教えていました。

それは仕事じゃなくて、エクスチェンジというお互いに勉強したい語学を教え合うというもので、それが教師になりたいなと思ったきっかけなんです。

その時に日本語を教えるのは楽しいなと思いまして、ワーキングホリデーから帰国してから日本語教師養成講座に通い始めました。

日本語教師になるには

――日本語教師になるには教員免許や資格は必要なんですか?

教員免許ではないんですけど日本語教師の試験みたいなものがありまして、それを取得するのが一応ボーダーラインみたいになっています。

ただそれだけで仕事に就けるかというとなかなか難しいです。経験を問われたり、養成講座というのは教え方を教える所なんですけど、そういった所を卒業しているかどうかが資格として必要だったりします。

養成講座は時間数になっていまして、420時間がキリです。420時間を、平日働いている人は忙しいから土日だけになると思いますので、1年間で通ったりします。

私の場合は6ヵ月間を講義で受けて、もう6ヵ月間は実習としてオーストラリアで実際に学生さんに教えるかたちで勉強したので、1年間かかりました。

他の学校だと420時間の講義だけで終わったりするんですけど、私の行っていた学校だけが特別で、半分講座で半分実習という形をとっているので、そこを選びました。

普通は50万円ぐらいで終わるんですけど、私の場合は実習を入れてしまったので向こうの生活費もかかりました。

講座自体の費用は70万円ぐらいなんですけど、それにオーストラリアでの生活費が別にかかりましたので、結構かかっちゃいましたね。

実習に行っている間は、完全にボランティアで教えています。その養成講座の分校みたいな形でオーストラリアのメルボルンに学校を持っていたので、そこに行きました。

指導の仕方

――日本語教師というのは、日本語だけを使って教えるんですか?

学校の方針によって違うと思うんですけど、その学校は日本語だけを使って教える方針でした。学生の母語を使う学校もあります。

教師が皆違う教え方をしちゃうと生徒が困ってしまうので、統一はするんですね。完全に同じというのは無理だと思うんですけど、日本語を使うのか英語を使うのかは統一されていて、そこは使わない所でした。

もちろんほとんどの学生が日本語が分からない状態から始めます。日本語だけを使って教えるのはなかなか難しいとは思いますけど、初めは一番易しい文型から始めて、学生がわかるような形でやります。

言葉は表みたいなものがあって、語彙表みたいなものを渡して教えたりします。

教え先の見つけ方

――今までどんな人達に日本語を教えてきましたか。

日本国内だと、中国人、韓国人、モンゴル人のアジア系が中心なんですけど、ブラジルとか南米の人もいます。

海外ですとオーストラリアでの実習が初めてなんですけど、そこから中国に行きまして、マレーシア、タイ、トルコで教えました。それぞれの国の教える場所は、インターネットで見つけました。

アジアの人は、日本で働きたいとか日本の学校に行きたいという人が多いです。

やっぱり近いのでそれだけチャンスがあるのと、その国に日本の企業が結構入っているので工場で働くとか日系企業で働くとかの仕事に繋がるというのがありまして、それを機に勉強したいという人が多いです。

そこから広がって、日本人と話したいとか武道に興味があるという人が多いです。

トルコの場合は、かなり離れていますし日本企業もそんなにないので、どちらかというと文化面や柔道剣道に興味があるとかで日本語を始める人が多いです。

教えやすい国

――生徒の国籍によって違いはありますか?

性格というか気質が全く違います、やっぱりアジアの学生はおとなしいですね。割りと素直に何でも聞いてくれます。

仏教系の人は先生に対する姿勢があって、やっぱり先生は上の人というのがあるのかなと思います。

教えやすいのはタイですかね。タイの学生はおとなしくて、分からない時に分からないと言ってくれないので困ることもありますが、授業はスムーズにいきます。

トルコの学生は難しいですね。日本に対する勘違いもものすごくあるんですけど、それを強く持つというか結構信じている面があって、訂正しても言い合いになってしまうこともあるんです。

日本人が言っているのにと、こっちはこっちで熱くなっちゃいます。

でも他に日本人に会う機会が無いので、結構長い間信じていたことを、ぱっと来た日本人に言われても入らないんじゃないですかね。

ヨーロッパの学生は頑固というか自己主張がある感じですかね。

完璧を求めない

――日本語が分からない人に教えるのは難しいと感じるのは、どんなことですか?

全く0の人に教えるとなると、その国の言葉を使わない場合は、よっぽど状況を分かりやすくしてあげないと難しいというのがあります。

だいたいの学校が「これは本です」から始めると思うんですけど、「これ、それ、あれ」にしても、はっきりとその違いを教えてあげないと分かりづらいというのがあると思います。

教えたことがないと本当にわかるのかなと思うと思うんですけど。相手の母語を使わない場合は100%分からなくて良いよという考え方なんです。

今これを教えている時に80%ぐらい分かったら、次のレベルにいった時に前回のことが100%分かる、また次のことは80%で、次の3段階目になった時に2段階目のことが100%分かるという考え方なんです。

学生は母語じゃないので自分の言葉に置き換えて「こんなこと言ってるのかな」というイメージを持って練習していくうちに「やっぱりそうかな」という感じなんです。

なので、もやもやしながら段々分かっていくイメージです。

日本語の難しいところ

――日本語のどういったところが理解されにくいですか?

国によって違うんですけど、その国の言葉に無いものはやっぱり最後まで分からなかったりします。

概要というか大まかには分かるんですけど、自分の国の言葉にないことはどうしても分かりにくいと思うんです。

一番多いのが「は」と「が」の違いです。「は」と「が」は彼らの母語に訳すと同じになっちゃうんですね。何が違うのかというのは教えはするんですけど、一番分かりにくいと言われるのはそこです。

中級ぐらいになると絶対にその国の言葉に訳せないことが出てきてしまうので、あんまり訳してほしくないというのがあります。

なので、こちらも意味を教えるのではなくて、どういう時に使うのかを教えるようにしています。

例えば「いただきます」や「ごちそうさま」というあいさつはトルコにもあるんですけど、使い方が全く違っているんです。

訳すと「いただきます、ごちそうさま」なんですけど、使うのがごはんの途中で、どちらかというと「召し上がれ」みたいな感じなんですね。

他の人に対して「いただきます」という言葉を使ったりするので、訳自体が間違っているといえば間違っているんですけど、他にあたる言葉がないんですよ。

意味だけを教えてしまうと間違えて使ってしまうので、使う場面を教えるとより分かりやすいかなと思います。

日本語教師の経験を振り返る

――日本語教師をしていて嬉しかったこと、つらかったことはありますか?

慣れない所にぱっと行くので、学生たちが気を使ってくれてその国の文化を教えてくれたり色んな所に連れていってくれたりして、教室外のことの方が嬉しいです。

教室内のことでは教える時に「分かった」と言ってくれると、学生の日本語が成長したなと思う時がやっぱり嬉しいです。

つらかったことってあまりないんです。つらいというよりは、教えてもあまり分からないようだと落ち込みます。

教えて覚えてもらうのは意外と簡単なんですけど、忘れてもらうのも凄く簡単なんです。

特に海外ですと日本語を話すチャンスが無いので、今日教えても1週間後には全然覚えていなかったりすると、そんなに印象の無い教え方をしてしまったのかなというのがあります。

やったことすら覚えていなくて、ノートに書かせるようにしているんですけど、やったでしょうというと「本当だ」みたいな反応が返ってきた時は、教え甲斐が無いなと思います。

学生によってかなり違いがあります。日本人で外国語の学校に行った時に同じクラスで0からスタートしても成長って違うと思うんですけど、日本人って皆だいたい高校までしっかり出ていて同じような教育を受けているじゃないですか。

でも海外の場合は例えば極端な話、中学に行っていませんとか、もちろん義務教育なんですけど中国とかだと学校に行かないで働いていましたとかで、全然違うんです。

ベーシックな学習レベルというか、日本語学習以前の勉強のやり方とかが全然違っていて、できる人とできない人の差がすごいんです。その辺をカバーするのが大変だなと思います。

教師に必要なこと

――日本語教師に必要な要素は何だと思いますか?

学生が育ってきた背景が全然違うので、そういうのをくみ取って色んなことに対応しなきゃいけないというのがあります。

1つの国籍だけで皆同じという教室ってあまりないと思うんですね、国籍が混ざっているので、色んな国籍にも対応しなきゃいけません。

私も国内の学校では中国と韓国とモンゴルとロシアと色々混ざっていたので、政治的や文化的な話題に気をつけなきゃいけないというのがあって色々気を遣いました。

そういうのって学生が学習以上に熱くなっちゃうので、勉強以外のことにも対応することは凄く必要だなと思います。

あと元々日本語が好きで来てはいるんですけど、教師のやり方ひとつでもしかしたら嫌いにさせちゃうかもしれないんですよね。

つまらないとか分からない授業をやっちゃったら、その人しか教える人がいないので、結構簡単に日本語を止めてしまったりするんです。

もし他に教えてもらうチャンスがあればこの人が駄目なんだなと思われるかもしれないんですけど、分かりやすく楽しく教えてあげないとというのはあります。

――日本語教師はこれからも続けていきたいと思っていますか?

続けていきたいと思っています。

日本語教師を目指している方へ

――日本語教師を目指している方にアドバイスをお願いします。

日本語教師になるのは思っているより簡単で、先程言った養成講座に通ってどこかにボランティアで活動して、ある程度するとなれる職業です。

日本語というのは誰でも話せるものなので、基本的には要素は持っていると思うんですね。

ただ教室に入った時に続けていけるか続けていけないかというのは、その人個人の忍耐によります。

楽しそうに見えるんですけど大変な面も結構あるので、その辺をクリアしながら頑張っていけると、楽しく日本語教師ができるんじゃないかなと思います。

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