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インタビュー

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ケーブルテレビの訪問営業 前田泰史

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モチベーションを保つのが大事!ケーブルテレビの訪問営業

いろいろな人と出会えて話が聞けた訪問営業

ケーブルテレビ訪問営業の前田泰史さん
――ケーブルテレビの訪問営業の仕事をするようになった理由は何ですか?

元々は人材派遣会社の営業職の募集があって、そちらに応募して採用されたんですけど、入った部署がケーブルテレビの訪問営業を派遣するセクションだったんです。

まずはそこで派遣をしているスタッフと一緒になって実際に現場を経験してくれというところから始まりまして、その仕事をずっとやらされていたということです。

元々はケーブルテレビの訪問営業をすることは知らなかったんです。行ってみてびっくりしたんですが、ミイラ取りがミイラになっちゃいました。

結局そっちの方が人材派遣会社のお給料よりも良いものですから、会社を辞めて別の派遣会社から派遣されてケーブルテレビの方に行くということをやり始めました。雇用形態は派遣のままです。

ケーブルテレビの方でも、人事担当者と、チームがいろいろ分かれていますのでチームのリーダーみたいな方と面接がありました。

まず自己紹介をしてくれとか、通信関係の仕事になりますので詳しくなくても大丈夫だよということだったんですがどの程度詳しいかとか、自分の趣味とか、ほぼ雑談ですね。

個人宅の訪問営業ですからコミュニケーションが取れないと駄目なんで、コミュニケーション能力を見たいということだったようです。僕はコミュニケーションを取るのは得意というよりも嫌いではないというところでした。

――職場の様子やお仕事の内容について教えてください。

ケーブルテレビというのは地域や町ごとにあるので、大田区なら大田区を管轄しているケーブルテレビの会社に派遣で入りまして、大田区という所を分割するんですね。

何丁目何番地から何丁目何番地があなたのエリアです、ということで60世帯ぐらいのエリアも毎週貰うんです。

そこを1件1件ピンポンを押していきながら、端的に言えば「ケーブルテレビいかがですか? 入っていませんか? 入りませんか?」というようなことを大ざっぱに言う仕事ですね。

ケーブルテレビとインターネットと電話の3サービスを案内して営業していく仕事になります。

基本的に全くアポなしで、やり方は人それぞれあるんですが、一番ポピュラーなのは、来週ここを回ってくださいというエリアを金曜日に貰ったら、まず月曜日にチラシを自分で作るんです。

パンフレットとか色んな物がありますので、そういう販促物をひとつにまとめたポスティング用のツールを自分で作ります。

オリジナルで「この地域に新しくケーブルテレビの線を引くことになりました。もし入りたい方がいらっしゃいましたら業務用の携帯電話を貸し出しされていますので私のところまでお電話ください」というような物を月曜日に作るんです。

世帯分作って火曜日水曜日はお休み、木曜日に全部ポスティングしていくんです。

ポスティングは約2時間で終わるのであとは昼寝して夕方帰ったり、先週分の回っていないところとか接触できていないところにアポなしでどんどん回ったりします。

そうやっていると木曜日にポスティングした反響で金曜日に電話がかかってくるんですね。「ちょっと関心があるので聞きたいんだけど」とか、「加入したいんだけど」というお電話があります。

決済者はほとんどご主人様なので、ご主人様が在宅されている土日の何時にうかがいましょうというアポをだーっと金曜日に取って、土日のスケジュールを埋めるというような流れでやっていました。

チラシをまくと、例えばまだケーブルテレビの線が引かれていなかった所に新しく引かれると、ポスティングするチラシを見て、ちょっと話を聞かせてよということでお電話をいただきます。

「ケーブルテレビに入るとこんなにたくさんの番組が観られるのか。地デジに変わる前だと新しくアンテナを立てなくちゃいけないけど立てなくていいんだ、BSやスカパーのアンテナもいらないんだ、いいね」というようなかたちです。

ケーブルテレビの営業をしている人たちは、前にサラリーマンをやっていらっしゃった方とかフリーターの方が多かったですね。

フリーターの人が多いというのは、渡り歩くからなんです。

テレビというのは今はだいたい町の全域に網羅されているので、例えば大田区でやって、もうこの町ではほとんど加入しているから契約が取れないなとなったら、今度は練馬区のケーブルテレビ会社に移ったりします。そういう方が多かったですね。

服装は、夏場は胸にロゴが入った半そでのポロシャツにチノパン、冬場はワイシャツにネクタイで上から支給される会社のジャンパーを羽織って回っていました。

――営業職だとコミュニケーション能力はもちろん必要だと思いますが、他に求められることはありますか?

アポが取れた時や、飛び込みでもそうなんですけど、ちょっと上がって話を聞かせてということがありますので、靴下は綺麗な物を履いていなきゃいけないとか、清潔感のある服装がやっぱり一番重要じゃないかと思います。

お邪魔しますと上がって靴下に穴が開いていたりすると、「こんな人を雇っているの?」となります。看板背負って歩いていますので、そういうところはやっぱり重要になってきますね。

仕事には1ヵ月くらいで慣れますね。ルーティンやサイクルが分かりだしてくるとすぐ慣れてしまいますが、体力は必要です。

自分が担当するエリアまでは会社から車も貸出しされますので車で移動するんですけど、そこから自分の担当地域を契約書や資料の入った結構重たいカバンを肩にかついで歩きで回ります。

夏場は炎天下を歩き回ることになりますので、かなりバテます。営業の時はほぼ1日中外回りです。

朝9時半定時でまずミーティングを10分15分ぐらいやって、中にいると「何をやってるの?」と言われちゃいます。「あなたの仕事は外に行って契約を取ってくることでしょう?」と追い出されるような感じで外に行きますね。

それで定時は18時半なんですけど、あとはみなし残業ということになるので残業代は特に出ません。

ただ週末に定時で帰ってくる人はまずいません。というのは、土日というのはかき入れ時ですので、そこで今日予約1件も取れませんでしたと帰ると「お前は何をやってんだ!」とそこから約2時間の個別ミーティングになってしまうんです。

まかり間違って土日に契約が取れなくても、20時半ぐらいに入って「説得したんですけど」とか何とか言いながら、という形になっています。

だから基本的に土日が忙しいですね。時間帯的には、アポが取れているお客様でどうしても話を聞きたいという方でしたら、こちらから時間を決めちゃうんです。

1件あたりだいたい1時間、30分間を置いてまた1時間というかたちにしますので、昼からお出かけしたいとか買い物に行きたいという方が多いので、午前中の10時から12時を希望される方が一番多かったですね。

――営業のお仕事では何か特別に勉強する必要はありますか?

最初の1ヵ月はほとんど勉強でしたね。ケーブルテレビの仕組みですとか、一戸建てでしたらどうやって線を引き込むのかとか、勉強しながら訪問営業するかたちになります。

テレビとインターネットと電話を全部使いたいというお客様は、電話は今NTTを使っているんだけれども、私どものところを使うとKDDIグループになるので、当時は色々面倒な手続きや工事が必要だったんですね。

工事は工事班がやるんですけど、こういったかたちの工事になります、と内容を説明しなければいけないんですよ。

「インターネットもこういった工事になりますがお使いになりますか? 使い場所によっては無線で飛ばしていただかなくてはいけなくなります。あとテレビについてこういったチューナーを置きますのでどこに置きますか?」とかですね。

全て宅内のことを把握したうえで技術的なお話を、お客様は全くの素人ですので分かりやすいように全て絵に描いてお知らせします。

あと料金プランもいくつもありますので、そういう勉強もしなければならないということで、だいたい1ヵ月は勉強しましたね。

自分で理解するまでは1ヵ月もかからないんですけど、主婦の方ですと言っている意味が分からないとなってしまう方もいらっしゃいます。

どういった説明をしたら良いのかなということを工夫したりするのですが、色んなケースがあるのでやっぱり1ヵ月丸々はかかりました。

自分で覚えていないところはパンフレットを見せながら説明をして、自分が分からない時には「ちょっと局に帰って確認してお電話さしあげます」とか、そういうようなかたちを取っていました。

――勤務時間や収入について教えてください。

朝9時半から定時は18時半ですけども、みなし残業としてエンドレスです。

でもだいたい常識的な範疇で20時ぐらいまでしか回れないかなというところでしたけど、ちょっと強引なメンバーは夜22時くらいに行ったりしていました。

休みの火水は出勤しても給料が出ませんので、休みは休みとしてきっちり取らせていただいて、支給されている業務用の携帯電話は会社に置いて帰ります。

ロッカーの中に入れて電源は入れっぱなしにしておくんです。電源を切っちゃうと、チラシを見たお客様が電話をしても電話が繋がらないということになります。

一応チラシには火水はお休みと書いているんですけど、せっかちなお客様はかけていらっしゃいますので、電源だけは入れて、木曜日の朝にまず履歴をチェックします。

何件か入っているとこちらからコールバックをしてアポ日を決めるというようなことをやっていました。

収入は手取りでだいたい25万円から30万円ぐらい、それと営業のノルマがありますのでノルマを達成するとプラス10万円、あとテレビの契約を1件取るといくら、インターネットの契約はいくら、電話の契約はいくら、とどんどん上乗せされていきます。

ノルマに達しない場合でもマイナスはないんですけども、ノルマの80%を切ってしまう月が2ヵ月続くと、1ヵ月前告知ということで来月も80%を切ったらクビと言われていました。

だから、2ヵ月間はアポを取っていても「ちょっと今工事が立て込んでおりまして」とかいろいろ言って3ヵ月まで温めておくんですね。

それで「お客様、空きましたよ」というかたちでごそっと取ってきて「なんだお前がやればできるじゃないかよ」ということをやる方もやっぱりいらっしゃいました。

訪問営業で結婚を迫られる?!

――いろんなお宅を回られるとエピソードもいろいろあるんでしょうね。

エリアがありますので大田区だと太田ケーブルというひとつの会社しか作れませんが、1周回るだけじゃないんですよね。

半年に1回ぐるぐる回るものですから、ずっと住んでいる一戸建てのお客様の所に行くと「もう7、8回目だよ」とか言われて、私の場合は犬を放たれたことがあります。

行って来いと言って犬に追いかけさせられたこととか、ちょうど水まきをしているお客様に「おはようございます、太田ケーブルです」と言ったら「うるさいんだよ何回も」と水をかけられたりすることもあります。

町の嫌われ者になったりしますね。でも何回も訪問してしまうのを未然に防ぐことはちょっとできないですね。

例えばそのお客様が会社に対してもう二度と来るなとか直接的なクレームのお電話を入れていただければ、行くことはもうNGなんです。ここは訪問拒否だから絶対に行くなということをできるんですけど、口頭で言われた時には担当が変わっていたりします。

他の人間がそこに行っていたりしますので、「半年前に回った奴は誰だ?」「私ですけど」という話になると「お前あの時どんな対応したんだ?」と、えらい怒られたこともあります。

楽しかったことももちろんありました。入りたいというお客様がいらっしゃって、訪問してほしいと言われた時刻が夜の19時くらいだったんですね。お約束のお時間にうかがったところ、お客様が忘れてらしたんです。

忘れていて夕食を召し上がっていて、今日お約束だったんですけどということで訪問させていただいたら「そうだった、ごめんなさいね。ごはんは、もう食べた?」と言うので「まだですけど」と言ったら夕食をごちそうになったりということがありました。

あと一番強烈だったのが某企業の社長のお宅です。知らずに行ったらそのお宅には3人娘がいて、入りたいんだとおっしゃるのでご説明と、工事が面倒くさいところだったので2回の計3回行っていたんです。

お客様と商談して契約を頂いて、契約したらお互い気持ちもほっとして、ああこの人こういう人だなというのがだいたいわかってくる中で雑談をしていたら「ちょっと話があるんだけどさ」と言われました。

「何でしょうか」と言ったら「うち、娘3人いるの知っているよね?」「はい、3人いらっしゃいましたよね」「どうも一番上の娘があんたのこと好きらしいんだ。うちの娘と付き合わない?」という話になりました。

「もしあれだったら君うちに婿養子に来て、会社継ぐことに興味ないかな?」というようなことを言われて「ちょっと考えさせてください」というようなことが2回ありました。

無下にお断りもできませんのでお嬢さんとはお付き合いさせていただきましたけども、やはり会社を継ぐというのはちょっと……婿養子前提でのお付き合いということでしたら私にはできかねますと丁重にお断りさせていただきました。

多分、いろんなセールスの方にも言っているんじゃないかなという感じが少ししました。

――このお仕事をされて良かったこと、大変だったことは何ですか。

知らなかった知識を得ることができて、今は集合住宅に住んでいてインターネットの訪問販売とかが回ってくるんですが、簡単にいなせるようになりました。むきになることはなくなりました。

一度やったら本当にいろんな人と会えていろんな話が聞けたというのがやっぱり楽しかったですね。

ただ、何周も回るので、何回も来ているからいいよというお客様に対してどうやって切り込んでいこうと考えるのは大変だったなと思います。自分で考えないと人は教えてくれません。

訪問営業というのは門前払いを喰らうのは一般企業も同じですけど、やりがいはありますし、お金をもっと欲しいと思えばノルマを超えればついてきて毎月毎月乗っかってくるのがやはり楽しみでした。

それでモチベーションが保てるので、他の仕事では味わえないものではありますね。

――このお仕事は長く続けられるお仕事だと思いますか?

長くは続けられないと思います。先ほど渡り歩くと申しましたが、町のパイは決まっていますし、大所帯になるとどこも入ってくれませんので長くは続かないと思います。

私も渡り歩いたクチなので、のべで言うと3年ぐらい働きましたが、パイが埋まってきてもう儲けにならなくなってきたので辞めました。だんだん時給も下がってきましたし、これはもう限界かなということになりました。

――営業のお仕事に興味のある人へアドバイスをお願いします。

向いている人はとにかく明るい人、前向きな人、自分から勉強する人、コミュニケーションがちゃんと取れる人だと思います。それに尽きますね。

会社にもよりますが、車の運転がついてまわります。車にも広告が貼ってあったりしますので、車の運転マナーとか、ちょっと路駐しているとすぐに会社に電話が入ってくるんですね。

誰が乗っているか分かるので、そうなると車を使わせてもらえなくなるんですよ。そうすると電車を乗り継いでいくとか自転車をこいでいくとかのつらい目にあいますので、気を付けることは車の運転が一番ですね。

あと身なりはきっちりしておくことが大事です。

トークの参考としては、家電量販店とかに行って接客を見ることも参考になります。

あと百貨店の1階にある化粧品売り場で、呼び込みの接客されていますよね。興味の無いお客様の足を止めさせてやることがほとんどなので、全く無関心な人を振り向かせるトークは勉強になります。

訪問営業は全然知らない人のお宅を回らないといけないので、必ず心が折れる時がきます。自分なりのモチベーションをちゃんと持っていてほしいと思います。

本当にお金が欲しいのか固定給だけでいいのかというのもあるんですけど、必ず心が折れます。心が折れて皆去っていきます。だから強い心で、何を言われても前向きに、何か言ってるぐらいの軽い気持ちでいてほしいなと思います。

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