インタビューの録音データを文字起こしする方法
取材インタビューの録音データをどうやって文字起こしすれば良いのか?テープ起こしにおすすめの方法やソフトについてご紹介
インタビューが終わったら録音データの文字起こしが待っています。文字起こしはとても時間と手間のかかる作業です。例えば60分の録音データの場合、プロの方でも5時間位はかかると言われます。
自分での文字起こしはもちろん、コストパフォーマンスを考えた外注も視野に入れつつ、インタビューした録音データの文字起こしについて考えていきましょう。
文字起こしには種類があります
文字起こしとは録音された人の言葉を文章にする作業のことで、テープ起こしともいいます。
文字起こしには、音声を全部そのまま文字にする『素起こし』、「あー」や「えー」などの意味をなさない言葉を除いて文字にする『ケバ取り』、ケバ取りしたデータを文語体の意味の通ったわかりやすい文章にする『整文』の3種類があります。
内容が分かりやすく見た目もすっきりすることから、文字起こしはケバ取りで行うケースが多くなります。
インタビュー録音データを文字起こしする手順は?
まずは、自分で文字起こしをする場合にどうしたら良いか、そして文字起こしを効果的に行うコツについて説明します。
再生
録音データの再生手段としてWindows Media Playerを思い浮かべる方も多いでしょう。再生速度の変更もできますし悪くはないのですが、文字起こしにかかる時間を短く快適にするためには専用ソフトの使用が望ましいでしょう。
専用ソフトについて詳しくは後述します。ソフトをダウンロードしセットアップが済んだら、ファイル(録音データ)を開きます。
打ち込み
ワードなどのテキストファイルを新規作成します。あとは、ICレコーダーで録音した音声データを聞きながら、ひたすら打ち込んで文字にしていきます。
再生速度を遅くして聞きながら打ち込むのが一番良いですが、タイピングが追いつかない場合は、音声を覚えられる長さだけ聞いたら一旦再生を止め、すぐに覚えた言葉を入力、そして音声の再生…という流れになります。
効率的に行うコツ
文字起こしにかかる時間を短くするには、聞きながら打ち込めるようにタイピングのスピードを上げるのが一番です。
また、1回で全てを完璧に文字起こししようとせずに、初回は全体像を把握することに努めながら文字にしていきます。2回目に大体の文章を完成させ、3回目に音声を聞きながら文章をチェックしてきちんと文字起こしできていることを確認するなど、複数回に分けて文字起こししましょう。
こまめに保存するために「Ctrl + s」などのショートカットキーを使うと良いでしょう。また、何度も出てくる言葉を「#」や「@」などにしておき、後で置換機能を使用して一気に文字にするのもお勧めです。
再生ソフトやサービスを使うと文字起こしの効率が上がります
良く使われる再生ソフトの中から、再生速度の変更が可能で文字起こしに便利なキーボードショートカットを使用できるOkoshiyasu2とKeyPlayerを紹介します。また、音声認識による文字起こしサービスであるVoXTについてもみていきましょう。
Okoshiyasu2
自由に割り当てたキーによるキーボード操作だけで再生や停止など全ての機能を利用できる再生専用ソフトです。mp3,wav, wma,oggに対応しています。イラコイザー機能があるので、聞き取りにくい言葉を減らすこともできます。
また、不明な言葉を聞き取るために何度も行う巻き戻しの秒数を指定できるのも便利です。一時停止後に再生したときに、指定した秒数分戻ったところから再生開始できるのもメリットでしょう。
KeyPlayer
一番の魅力は対応ファイルが幅広いことです。mp3,wav,wma,avi,mpeg,wmvといった多くの音声ファイルと動画に対応しています。ショートカットキーは固定されていますが、早送りや巻き戻しなどの機能をキーボードで操作できます。
VoXT
外部入力マイクを使用してICレコーダーで録音した場合などに向いている、音声認識を使用した最先端の文字起こしサービスです。VoXTセルフでは、1分あたり30円かかりますが、2週間の無料お試しも利用できます。
自動でテキスト化した内容を、音声を聴きながら誤認識修正します。音声の再生などの操作にキーを割り当ててキーボードでの操作も可能です。一から自分で文字起こしする場合に比べて負担が軽減できるケースもありますので、無料お試しをしてみるのも良いでしょう。
文字起こしを依頼するならどこにお願いするのがベスト?
自分で起こす場合の時間と手間を考えると、外注した方が良い場合も多々あります。そんな時にどこに依頼したらよいのかを、重視する点に分けてみていきましょう。
品質の保証が無くても価格を重視する場合
何より価格を重視する方は、クラウドソーシングでの依頼をお勧めします。例えば60分のインタビュー文字起こしの場合、ウーマン&クラウドなら2500円程度、ランサーズでは5000円程度と、とても安価に発注しているケースが散見されます。
納期が長い場合などはもっと安価でも良いでしょう。
募集を出す際には、聞き取れない部分は★★(00:00)など、音声の再生時間を記載するように指示を出すと後で便利です。
しかし、クラウドソーシングでの依頼は間に会社が入らないため、品質が保証されません。とても大切なインタビューの場合は避けたほうが良いでしょう。
品質も価格も重視する場合
品質を保証してもらうために、文字起こし会社に依頼する場合を考えていきましょう。評判の良い会社の中から、60分の録音をケバ取りで依頼した際の税込料金を比較します。
会社名 |
アスカ21 |
コエラボ |
東京反訳 |
---|---|---|---|
料金体系 |
文字数 |
時間 |
時間 |
標準納期 |
中1日 |
中3日 |
中2~3日 |
中1日の価格 |
17,280円前後※ |
22,680円 |
24,040円 |
標準納期の価格 |
17,280円前後※ |
12,960円 |
18,532円 |
アスカ21
中1日早い納品を希望する場合は、アスカ21が割安になります。文字数で料金が決まる料金形態ですので単位時間あたりの料金より安く上がるケースが多くなります。とても早口な方のインタビューなどは平均価格帯をオーバーする可能性もあります。
コエラボ
3日程度かかっても大丈夫な場合はコエラボが良いでしょう。英語のデータにも対応しているほか、ダブルチェックと厳しい校正による高品質な納品が期待できます。また、様々なキャンペーンを行っていて、インタビューの音声の文字起こしが安くなる期間もあります。
東京反訳
専門性が高い医療医学分野や裁判、会話分析など難しい文字起こしに強いのが東京反訳です。また、データが大きすぎてインターネット経由でのデータ受渡しができない場合などは都内と大阪市内限定の無料受け取りサービスもあります。
音声データの受け渡し方法について
ICレコーダーで録音されたデジタルデータの場合、インターネット経由で各社指定のページやオンラインストレージサービスを利用して渡すケースが多くなっています。
PCにデータを落とせないICレコーダーで録音した場合や、データが大きすぎて送付できない場合は郵送になります。都内などの場合は会社によっては資料の無料受取りサービスもあります。
テープ音声が上手く聞き取れないときの対処法は?
自分でテープ起こしをする場合、聞き取れない事は良くあります。聞き取れない原因を分析して対処しましょう。
音声が小さくて聞き取れない場合
全部の声が小さい場合はボリュームを上げます。それでも聞き取れなければアンプ内蔵スピーカーで聞きましょう。アンプには音を増幅する機能があるので、聞き取れる可能性が高まります。
特定の人の声が小さくて聞こえない場合は、推察力をアップすると共に、予測変換機能とネット検索で補完します。
雑音が入っていて聞き取れない場合
近くの工事音など、人の声以外がうるさい時は音声ソフトのノイズ除去機能を試します。
喫茶店などで他の人の声がうるさい時は、人間の耳の選択機能を最大限に活用します。具体的には、店内をイメージして自分がそこにいると思って聞くと聞き取りやすくなります。
その他の場合
音声が早口で聞き取れない場合は、音声ソフトで可能な限り再生を遅くします。
また、知らない言葉は聞き取りにくくなりますので、同僚のインタビューデータを文字起こしする予定などがある場合は、語彙力を上げておくと良いでしょう。
終わりに
ここまで文字起こしする方法について読んでもらいましたが、いかがでしたか?
自分で文字起こしをする場合のコツも満載ですので、ぜひ一度試してみてください。また、時間的制約などで文字起こしを外注する際も、内容や料金などを比較してありますので、最適の文字起こし依頼先を見つけるための一助になれば幸いです。